こんにちは
今日は、私がタンタンの絵本と並んで好きな本をご紹介します。
タンタンの世界へ冒険に行きたい方に、特にお薦めです。
タンタンシリーズの解説本
「タンタンの冒険 その夢と現実」マイクル・ファー ¥4,500
タンタンの絵本と同じ大きさで、全205ページの大判の本です。中はタンタンの生みの親・エルジェが作画をするとき資料となった写真や、彼のイラストがたくさん入ったカラー刷りです。
表紙の裏はラフな世界地図になっていて、タンタンの世界をまたにかけた冒険が想像されます。絵本シリーズもそうですが、タンタンの本は装丁が美しいですね。(とくに日本語版は!)本好きとしてはこういうことが嬉しいものです
パリ生まれのイギリス人ジャーナリスト、しかも海外通信員だった著者は、やはりタンタンにいつもインスピレーションを得ていたそう。その彼が、タンタンシリーズ全24作を1冊づつ解説していきます。
これは、ものすごい情報量です
キャラクターたちのモデルについてや、物語はどのようにして作られていったか、風景や乗り物はどうやって描かれたか、当時の世界情勢、エルジェの葛藤など、作品を年代順に追って見ていきます。
そして豊富な写真や絵の資料によって、私たちにもエルジェの見ていた世界が見えてきます!
下は、「タンタンチベットをゆく」のページです
タンタンがヒマラヤで遭難した親友・チャンを救出しに行く物語ですね。
エルジェが、本物のチベットのラマ僧やポーターたち、また登山風景を参考にして書いていたことがよくわかりますね。他にも、イエティ(雪男)が出てくるというアイディアのヒントになった当時の社会現象や、イエティの性格設定まで、本当に詳しく書かれています!これは本当に面白いです
そして、読んでみるとエルジェ自身がこの物語を作るに至った心理的過程も明らかになります。
他の多くのアーティストと同じように、戦争に翻弄されたこともあるエルジェ。複雑な人間としての悩みや苦しみも、タンタンを描くことによって昇華されていたからこそ、私たちがそれぞれ思い入れできる物語として世界中に広まっているのでしょう。
売れっ子作家としての重荷を持ちながらもいつも新しいことに挑戦しようとしていた彼の軌跡を読むたび、その勇気や冒険心に感動します。
タンタンシリーズをより楽しめることはもちろん、この本自体が面白い
一読の価値ありですよ。ぜひ読んでみてください
仙台店ホリヤでした